九州塗料工業株式会社

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製品情報(ポリキュートについて)

1.“ポリキュート”とは
  ポリキュートは、当社が製造する不飽和ポリエステル樹脂の総称です。 不飽和多塩基酸と多価アル
  コールを縮合反応させて得られる不飽和ポリエステルを重合性の単量体(一般にスチレンモノマー)に
  溶解した粘性液状の熱硬化性樹脂であり、硬化剤(メチルエチルケトンパーオキサイド)を加えて加熱
  するかまたは指定の促進剤と有機過酸化物を加えて室温に放置すると、誘導時間を経過後、発熱重
  合反応を起こしてゲル化し、物理的・化学的に安定した硬質ないしは、弾性をもったプラスチックにな
  ります。

2.ポリキュートの特徴
  ポリキュートには、性能や特性に豊富な種類があるため、使用目的や成形方法に応じてお選びいた
  だけます。必要に応じて着色もできますので、フォルムだけでなく、カラーリングによってもより豊かな
  表現が可能です。また補強材(ガラス繊維など)への含浸性もよく、機械的強度に優れた強化プラス
  チック(FRP)を容易に得ることができます。 一般に不飽和ポリエステル樹脂の粘度やゲル化時間
  は、温度によって変化します。そのためポリキュートには、夏型(S)、春秋型(M)、冬型(W)の樹脂を
  用意している品番もありますので、季節に応じて使い分けてください。また、粘度やゲル化時間は、硬
  化触媒や添加剤の量を加減することで自由に調整することができますので、作業条件に合わせてご
  使用下さい。

3.ポリキュートの硬化
  @常温硬化
   3液型ポリキュートは、コバルト金属塩等の硬化促進剤を樹脂中に均一に分散させたのち、硬化剤
   (メチルエチルケトンパーオキサイド)を添加攪拌すると常温で硬化します。2液型ポリキュートは、前
   もって上記の硬化促進剤を加えてありますので、硬化剤の添加攪拌だけで常温硬化します。
  A加熱硬化
   ポリキュートの硬化に要する時間は、温度が高いほど短縮されます。 したがって量産を行う場合に
   は、加熱成形することがあります。 その場合、加熱条件により硬化剤を使い分けて下さい。

4.ポリキュートの品番記号の説明
  P−         ・・・ 3液型
  PC−        ・・・ 2液型
  PC−916    ・・・ 揺変性有り(チクソ性有り)
  PC−916T   ・・・ ノンワックス(空気乾燥性無し) インパラの場合は、Nが
                付きません。
  PC−916TN  ・・・ 夏型
  PC−916TN  ・・・ 春秋型
  PC−916TN  ・・・ 冬型

  (例)PC−916TNS=2液型、揺変性有り(チクソ性有り)、ノンワックス(空気乾燥性無し)、夏型
     PC−916TW =2液型、揺変性有り(チクソ性有り)、ワックス(空気乾燥性有り)、冬型
     ※但し、例外としてP−2は、2液型です。

5.耐食性樹脂
  耐食性不飽和ポリエステル樹脂を使用したFRPは、一般性能のほか優れた耐食性を有するため
  耐食機器としてタンク、パイプ、ダクト等を中心に耐食分野に幅広く使用されています。

  @ビスフェノール型ビニエステル樹脂 「P−701N」
   この樹脂は、ビスフェノールAを主鎖とし、両末端に硬化性の不飽和基を有するものであり、アルカリ
   性物質、酸性物質、酸化性物質、塩類、含塩素物質等に対して優れた耐食性を示します。

  Aビス系不飽和ポリエステル樹脂 「P−760N」
   この樹脂は、ビスフェノールAを主鎖とし、エステル結合がビスフェノール骨格等で保護されているた
   めアルカリ性物質、酸性物質、酸化性物質、塩類、含塩素物質等に対して優れた耐食性を示します。
   特に、耐熱性が良く、一般耐食機器の成形に適しています。

6.ゲルコート
  ゲルコートは、FRP成形品の表面を保護し、外観を美しく保つと共に耐水性・耐薬品性・耐候性等に
  優れ、FRP成形品の寿命を延ばします。目的・用途により様々なタイプを用意していますので、使用
  条件に合わせて適切なタイプのゲルコートをご使用下さい。

  @ゲルコートの使用方法
   ゲルコートには、硬化剤(メチルエチルケトンパーオキサイド)が必要ですので、可使時間にあわせ
   て、 硬化剤を0.6〜3.0%添加し十分に撹拌して使用して下さい。刷毛、FRPローラー、スプレー
   ガンで均一に塗布します。スプレーガンの場合、直径2〜3φmm、スプレー圧3〜5kg/cuで塗布
   して下さい。 塗布量は、500〜800g/uが標準です。

  Aゲルコートトップ
   ゲルコートトップには、硬化剤(メチルエチルケトンパーオキサイド)が必要ですので、可使時間に
   あわせて、硬化剤を0.6〜3.0%添加し十分に撹拌して使用して下さい。刷毛、FRPローラー等で
   均一に 塗布します。 塗布量は、350〜450g/uが標準です。
   夏場の直射日光の当たる場所及び雰囲気温度が40℃以上で塗布すると空気乾燥剤の効力が失
   われ、硬化不良によるベタツキや硬化後に白化現象やクラックが発生することがありますので、遮光
   シート等で 日陰をつくり直射日光が当たらないように工夫する必要があります。



資料一覧に、ポリキュート(POLY KYUTO)のPDFカタログがあります。


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